先回、毒親に育てられた子は
自分で自分の気持ちがわからない、
親の言うままで、
自分を失くしている、と言うことを説明しました。
その反対に、たとえ豊かな感情を持っていたとしても、
それを表に表そうとはしません。
その成育歴から、
人を信用せず、表現しても否定されるのがオチ、
と思っているからです。
どうせ言ったって無駄、無駄なことはしない、と、
無力感から、
無意識に自分を抑え込んでしまっているわけです。
同時に、自分の世界を否定されるのは辛いことですから、
傷つくなら、ないものとして隠してしまった方がいい、
そう思って出さないのです。
と言うか、出せないのですね。
内面的には感情の起伏が激しい場合もあります。
愛情を知らずに育ったため、
普通は親に甘えることで解消される
不安や恐れ、怒りなどに振り回され、
それをどう処理していったらいいのかがわからないのです。
常にイライラしたり、
過度にオドオドしたりと、
態度に表れることもあります。
心の平穏が得られずに、
落ち着くことがない、と言うことですね。
なお、自己防衛のために、
親やそれに準ずる人の前では
「いい子」を演じる場合もあります。
その場合、本心を隠しているので、
毒親の前とその他の人の前では
あからさまに対応を変えることもあります。
家では「いい子」なのに、
学校では家庭での「いい子」ストレスを発散させるべく、
乱暴者、なんて言う事例もあります。
家で隠してしまっているイライラを発散させるべく
妙に先生や友達に喰ってかかるのです。
この場合、保護者に学校での日常を話しても、
理解を得ることはできません。
家庭では「いい子」なのですから
当然です。
中には親に同情心的なものを抱く子もいます。
家庭不和や、親が職場のストレスを
家庭に持ち込む場合です。
親は今大変な思いをしているんだ、
だからせめて自分が「いい子」でなければならない、
と思うのです。
けなげですよね。
こう紹介すると、毒親に育てられた子と言うのは、
大変な人生を歩むわけです。
なのにそれが自分ではおかしいと気づけないのは、
生まれたときからの日常的な親の養育態度、
日ごろの光景であり、
それが「ごく普通」「当たり前」と思っているからです。
友達の家庭と自分の家と
ずいぶん違うことを知って気付いた、
友達から「お前んちヤバくないか?」と指摘されて
自分の親が毒親であったことを認識した、
との子どもたちも多いようです。
あなたの心、ふわりと軽く♡